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長期記憶の定着率が大幅アップ
あえて異なる内容(単元や教科)を交互に勉強することで、より学習効率をアップさせる「インターリーブ学習法」ご存じでしょうか?
通常、一つの内容(単元や教科)に集中して繰り返し学習することが効果的だと思われますが、複数の内容を交互に学習します。
例えば、国語と理科を交互にしたり、社会と英語を交互にしたり。またはもう少し発展させて、4教科や5教科を「得意教科⇒苦手教科⇒得意教科⇒苦手教科⇒…」のように交互に学習するなど。
そのために、例えば2つ分の勉強道具を並べて交互に学習するといった方法があります。自分のペースで勉強してもよいですが、集中力が持続する時間でタイマーをかけ、時間で区切って勉強するのがおすすめです。
教科を変える時間がきたら、ページの途中といったような中途半端なところでも必ず中断して、次の教科に移るようにしましょう。
これはツァイガルニク効果という、途中で中断された内容の方が覚えやすい、という効果を応用したものです。
途中で中断して他の教科の学習をすることで、インターリーブ学習とツァイガルニク効果のダブルメリットを得ることができます。
インターリーブ学習法は、脳が複数の内容を処理することに慣れている場合、一つの内容に集中して学習するよりも、より効果的に学習することができます。また、反復学習に効果が見られない場合にも有効です。
インターリーブ学習法は、例えば算数・数学の問題を解く場合、同じタイプの問題を繰り返し解くのではなく、異なる複数のタイプの問題を交互に解くことで、より効果的な学習が可能です。同様に、国語や英語といった言語学習の場合は、文法、漢字・単語、発音などを交互にすることで、より効率的な学習ができます。
これまで多くの研究によって、インターリーブ学習法の効果が証明されています。例えば、一つの研究によると、インターリーブ学習法を使うことで、正答率が向上し、長期的な記憶の定着率も高まることが示されています。
さらに、別の研究によると、インターリーブ学習法を使った場合、学習後のテストの成績が上がるだけでなく、忘却曲線も緩やかになることが確認されています。このことは、インターリーブ学習法が、より効果的で長期的な記憶の定着を促すことを示しています。
また、インターリーブ学習法は、学習者にとって負担が少なく、学習効果が高いことから、多くの教育現場でも取り入れられています。
その実践例としては、授業時間を複数の科目に分けて交互に教える方法や、問題演習の際に複数の種類の問題を混ぜる方法があります。
さらに、資格試験対策などにもインターリーブ学習法を取り入れることができます。